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コラム

ピアノ内部とほこりの関係

ちりも積もれば、障害となる!


今回のピアノは 昭和48年製ヤマハアップライトピアノです。
以前からよくレッスンしているピアノで
調律も記録カードを見る限り毎年されている状態でした。
他県より越されてきて、私が伺いました。

症状は キーを叩いても出ない音があり
タッチの反応がとても悪いという事です。
ピッチは定期調律を欠かしてなかったので
442Hzで安定してました。

定期調律をしているのにどうして?
と 思いますが、以前の保管状態(多湿)と
調律師の調律以外の仕事に原因があったようです。



アップライトピアノはパネルで覆われている為、
一見外からのほこりが入りにくく 汚れてないように思いますが
毎日のレッスンで打弦したハンマーフェルトのカスや
磨耗して落ちる部品のカスなど 長年の間に蓄積してきます。
今回のはハンマーファイリング(ハンマー整形)のほこりもあります。
レスナーの分からない箇所にほこりが貯まっていき
それらのほこりがピアノ内部の湿気をたっぷり吸い
部品(木材・フェルト)に影響を及ぼしていきます。


上の状態になると支点になるセンターピンが
部品の膨張により締め付けられ
アクションスティック(油切れ状態)をおこし
やがて繊細なタッチが表現出来なくなってきます。


このようにカビが出たり、金属部に赤サビやロクショウが出てきます。
また、ピアノ内部が湿気るため音響板の振動にも影響し
音量低下にも繋がります。



※今回はバットスプリングコードの張替えもありました。
内部のほこりを除去しスティック修理を行い
組み立てていってる所です。

たかか ほこり!侮れないですね。
私も調律で伺った際に
音の調整以外に 出来るだけ取れるほこりは
取っていき、親・子・孫・・と
永くいい状態で ピアノをご使用して頂けるよう
努力していきたいと思っています。



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