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コラム

暖房とピアノの音律の狂い!

※ 調律師の体験談 ※


今年の猛暑から短い秋が過ぎ、暖房の必要な冬がやってきました。
調律師にとっても悩ませられる季節です。
ピアノにとって冷房、暖房、どちらが狂いやすいでしょうか?
私の経験では暖房の方です。

寒い日の事、調律にお伺いした際
お客様の気遣いからエアコンの暖房を
室温の下がった状態から入れて頂いたことがあります。
せっかくのご好意ですし 私自身も寒かったのもあり
ピアノの調律を始めました。

Aの音を442Hzでとり割り振りを行い、その基音をオクターヴでコピーし
まず中音域より音律を決めていく作業を始めました。


ピアノは1音に3本の弦が張られている為(中音域以上)
ロングミュート(赤いフェルト)で中の弦だけがなる様にして
調律を始めます。


割り振りは調律の最初に行う作業で
平均律(へいきんりつ)を作ります。
1オクターヴなどの音程を均等な周波数比で分割した音律にし
これにより転調や移調ができるようになります。
まずA(赤)を決めてからF〜E(青)を作っていきます。

話が調律方法になってしまいましたが、
本題に戻しましょう。

最初、室温の下がった状態ですから当然ピアノ内部温度も低いという事になります。
中音域の調律が終わり少し部屋も温もってきた頃
再度、自分の作った音律を見直してみて愕然とします。
苦労して作ったピッチが全て3〜4Hz下がっています。
ものの15分の間でピアノの状態が変化した訳です。
事実、自分の耳を疑いました。・・悪夢!!
ピアノは生き物と言いますが、まさにそれです。
原因は急速な温度の上昇と湿度の下降によるもので
駒のポイントが変更された事です。
その時は暖房を切って頂き、常温に戻ってから調律をやり直す用になります。
※ベテランの調律師さんは皆、経験があると思います!

ピアノに合わせて生活するのは不可能な事です。
これからの時期、暖房によるピアノの狂いの件は
避けられない事でもありますね。



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