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コラム

猛暑の時期のピアノレッスン

ピアノの音律とフレームの熱膨張




〔2007年6月21日、黒竜江省ハルピン市は連日の猛暑に襲われた。
なんと鉄道の線路がこの暑さでダウン寸前だという。
ハルピン市鉄路局は毎日10時から午後3時まで
北京・ハルピン線の一部区間を検査している。
2時間ごとに温度をはかり、
基準以上になっていた場合は氷や水などで冷やすのだという。
熱膨張により、線路にゆがみが発生するのを防ぐ処置だ。〕
これは レコードチャイナという情報誌からの抜粋記事です。

熱膨張は線路だけに限りません。
この夏の猛暑に悲鳴をあげているピアノも数多くあります。
南向きの陽当たりの良いレッスン室などは
朝から40度を超えている所もあります。
この状況ではレッスンは無理ですね!
弾く前に一気にエアコンで15度以上冷やしていくのです。
 
エアコンのスイッチを入れたと同時に弾き始める!!
これは一番望ましくない方法です。
音もずぐ狂ってしまいます。

室温が上がっていればピアノ内部も当然熱くなっています。
ピアノには20トンほどの弦圧を支えているフレーム(鉄骨)があります。
40度以上の温度であれば、かなり膨張している状態です。
冷やす事で逆に収縮し、ピッチも下がり始めます。
時に ピアノが冷やされる時にパキッという小さな音が聞こえる事もあります。


この不安定な状態でレッスンを始めると
フレームが変化している時に
ピアノ線に振動を与える事で
接点などがずれて、音が狂うのです。

その狂い方は 低音部と中音部に段差が出来たり、
中音域のピッチだけが以上に高くなり
2〜3オクターブに違和感を感じる事もあります。
それが毎日繰り返され、音律が変形してしまいます。

※その状態を少しでも避ける方法としては
ピアノに冷風が直接当たらないように
強冷ではなく徐々に室温を下げていきます。
30〜40分くらい経ち、ピアノ内部の温度が冷えたら
レッスンを開始するのが理想的です!
これはピアノ調律時も一緒です。

こんな狂いに心当たりがある方
試みて下さい。

ピアノは生きています!
ピアノにも ちょっと優しい気遣いを!

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