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コラム

ピアノの雑音(共鳴音)

ピアノの雑音は、調律師に相談しましょう。

ピアノの雑音には 2種類の物があります。

※まず1つ目(A)は部品どうしが擦れ、摩擦によって起こる雑音で
たとえば ダンパーロッドや突き上げ棒からの雑音、
ペダルの天秤棒のキシミ、ペダル根元部の金属部品の擦れ音や、
パイロットやシャンクローラーなどの擦れ音、
おもに スキンやクロスの硬化や摩擦から出る雑音です。

※2つ目(B)はピアノが発する音(音量、音程)が要因の共鳴音で
これには ピアノ内部からの雑音と、ピアノ周辺から響く雑音があります。
内部の例では 蝶番などの金属部品の微妙な隙間や
木材〔おもにボディ〕などの接合部が温度・湿度の変化から
周波数に反応して共鳴する雑音です。
周辺の例では 照明器具、暖冷房器具、天井・壁内部、上に乗せてある物など
思わぬものが対象となります。

最初に言った2種類のうち、1つ目(A)については
調律師が調整・調律の際に注意していれば分かる事で
あらかた処置できます。
処置が適正であれば、何度も起こりえないものです。

ただ2つ目(B)については 温度・湿度・周波数の
タイミングなども関係するデリケートな問題で
処置に関しても日によって変化したりして
なかなか発見できずに、お客様や調律師を
悩ます事もしばしばあります。

〔気になる雑音を探す事も 調整・調律とは別の
ピアノ調律師の大事な役目だと、私は思います。〕

私が雑音発見に手こずったお話をしましょう。

あるお宅に調律に伺った晩の事
奥様からお電話があり
「今日調律に来て頂き、有難うございました。音のほうも
狂いもなくなり明るくなりました。ですが、ある音を弾くと
ゴーゴーと大きな変な音がし、耳障りなのでまた来て下さい。」
という事で 次の日伺いました。
しかしどんな弾き方をしても雑音が出なかったのです。
その晩 またお電話があり
「お宅が帰った後、ピアノを弾いたらまたゴーゴー鳴っているんです。
調律したからこんなになったんですかねぇ。」
と 口調も興奮ぎみでした。
「分かりました。夜8時を過ぎてますが、今からお邪魔しても良いですか?」
お客様の了解をとり そちらへ向かいました。
今雑音が出ている訳ですから、ピアノの周辺も触らないように伝えました。
お客様宅に着き ピアノの前に行ってみました。
すると、今まで伺った時には無かった物が!!
ピアノの足元にスチール製のゴミ箱が!
これが雑音の主でした。
私が来た時は邪魔になるからと、隣の部屋に持って行き
私が帰った後、足元に戻していたのです。

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