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コラム

デジタルピアノとアコースティックピアノ

私はアナログ調律師

デジタルサウンドが流行している現代で
いかに アコースティック(ピアノ)の魅力を理解してもらえるか! 
私は常にそう思い、会う方にお伝えしてます。

できれば、コンサートやライブハウスに行って 
生の音を聞いて下さい。
CDやミュージックプレイヤー等にはない感覚を味わえます。
アーティストの感性、主張、客席との一体感、それから
CD製作の編集時にカットされてしまう音。

ピアノの鍵盤が落ちる音、メロディを奏でる時に必然的に出る音、
アーティストの息遣い、家では味わえないコンサートピアノの低音部の倍音、
中音から高音までの倍音、ホールの残響音などなど

えっ、それって雑音!
そう思うでしょうか?
それも 大切な音楽の一部なのです。

あえて、注意して聞く事はいりませんが
そういう音がライヴの感触です。
機会があったら 意識してみて下さい。

少しタイトルからずれてしまいましたが

デジタルピアノから述べると 鍵盤を押す強さ、速さなどによって、
音の大きさや音質が変わる機能あったり、
生ピアノの音をサンプリングしたりして
電子音だが アコースティクの雰囲気を出そうとしてます。
タッチの感覚もかなりピアノに近くなってはいますが、
音楽の表現力という点では まだ
アコースティックピアノには勝らないところです。

一方、アコースティックピアノはアナログの打弦楽器です。
300年前にクリストフォリによって造られたピアノが
改良に改良を重ね、今の構造になった物です。
タッチに関しては、鍵盤を弾くと
5〜7箇所の関節に力が伝わり
無駄の無い 俊敏な運動が出来ます。
ハンマーがレットオフして打弦し 
素早く次の打弦に備える体制を作ります。 
ピアノ線の叩き方によって(表現力)は 無限です。
音に関して述べると、響板、駒、響棒など
打弦後、音が伝わり増幅させる所は 色々な木材が使われてます。

ここで重要なのは、同じ箇所で同じ材質を使用しても
木目は全部異なるという所です。
木目に沿って音が走るとも言われます。
また、ハンマーフェルトの巻き具合にも音質などに差がでます。
アコースティックピアノは 一つとして同じ音を出す物はありません。
そこが 生の興味深い所です。


アップライトアクション


グランドアクション

ただ 心地いいピアノを楽しむためには
調整・調律は不可欠です。
ピアノの性質を理解した上で
より 楽器水準を高めて行く仕事が
わたしの使命だと 常々思っています。

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